色とは? 電磁波、分子軌道法をわかりやすく解説

物理化学

メリークリスマス。 ミドリケムです。

クリスマスといえばイルミネーションですね。色鮮やかできれいですよね。

皆さんは色の素、つまり色素がなぜ、色づいているのかご存じですか? 言い換えると、なぜ我々の眼に緑色、青色、赤色等視えるのでしょうか?

今回はその色について解説しようかと思います。それを解説するにはまず光、電磁波について解説する必要があります。

今回の記事では主に
・電磁波(可視光、補色)
・分子軌道法(HOMO、LUMO)
・基底状態、励起状態
・ルミネッセンス
・光励起(誘起)電子移動
について解説していきます。

電磁波とは?

電磁波とは電界や磁界(電磁界)が相互作用しながら空間を伝わるエネルギーの波のことです。光も電磁波の一部です。

主に波長とは波の1周期の長さであり、周期の逆数が周波数(振動数)です。波長λ[m]、周期T[s]、周波数(振動数)ν[Hz]、真空中の光の速さc(2.99792458…×108)[m/s]、プランク定数h(6.62607…×10-34)[J・s]、エネルギーE[J]とすると以下の通りです。

ν[Hz]=1/T   λ[m]=c・T=c/ν   E[J]=h/T=h・ν

ここで何気にプランク定数という言葉が出てきましたね笑

科学の世界ではエネルギーは避けては通れません。上記の一番左の式を書き換えるとh=E/νとなり、数多の波動のエネルギーと周波数を測定した結果、導かれた定数です。プランク定数とは量子力学の研究者の創始者であるマックス・プランクさんから名づけられたそうです。

そして、光は電磁波の中で赤外線(光)、可視光、紫外線(光)となります。

ここで、色が関わるのは可視光(波長400~780nm辺り)です。可視光とは呼んで字のごとく目で視ることができる光です。赤外線、紫外線は眼で視ることができません。

色素とは一部の可視光を吸収し、吸収しなかった可視光が反射して我々の眼に色として視えるのです。黒色は可視光を全て吸収し、逆に白色は全て反射しています。反射して我々の眼で確認できる色を補色と呼びます。

電子との関係性とは?

分子軌道法とは?

ここで、可視光を吸収するということを電子を使って詳しく解説します。

分子とは電子との共有結合によって成り立っていましたよね?電子はエネルギー準位を用いて表すこともできます。詳しくは以下の図の通りです。また、共有結合については以下の記事で解説しています。

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電子は一つの軌道に二つの電子が対を成してそれぞれ逆方向のスピンで入っています。電子は地球の様に自転しており、スピンとは電子の自転の向きです。軌道は横線、電子対は矢印、スピンは矢印の向きで表されます。電子は一番低い軌道から逆方向のスピンで対を成して順に入っていきます。

また、電子が詰まった最高準位を最高被占軌道(HOMO)、電子が詰まっていない最低準位を最低空軌道(LUMO)と呼びます。

また、この結合理論を分子軌道法と呼び、量子化学の世界では非常に重要な考えとなってきます。

ちょっと難しいかな? 簡潔に説明するとこんな感じです。また、上記の図は簡単に描きましたが、実際のエネルギー準位は分子によって様々です。

また、分子軌道法を用いて超原子価結合といった変わった結合も存在します。

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エネルギーを照射すると?

ここで、エネルギー(電磁波も含む)を照射すると、どうなるのでしょうか? 詳しくは以下の図の通りです。

分子によって特定の波長の電磁波を吸収します。色素は主に可視光を吸収します(くどいようですが、吸収されずに反射された可視光が我々の眼で確認できる色ですよ!!)。エネルギーを吸収すると、HOMO軌道に存在する一つの電子がLUMO軌道に移動します。この現象を励起と呼び、エネルギー吸収前の状態を基底状態、吸収後の状態を励起状態と呼びます。

励起状態の分子は非常に不安定であり、基本的には基底状態に戻ろうとします。では吸収されたエネルギーはどうなるのでしょうか?

通常では熱エネルギーとして放出されます。黒色物体は可視光全て吸収するため、熱がこもりやすいのです。冬のコートによく使われますよね。

他にも光エネルギーとして放出されることもあります。前回の記事でも紹介した蛍光がまさにそれです。ちなみにこの現象をルミネッセンスと呼びます。

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他にも励起された電子が他の分子に移動することがあり、これを光励起(誘起)電子移動と呼びます。これを利用して色素増感有機太陽電池を作ることができます。

難しい単語がでてきましたが、要は電気エネルギーとして放出されたということです。

まとめ

・電磁波…電界や磁界(電磁界)が相互作用しながら空間を伝わるエネルギーの波
・可視光…目で視ることができる光
・補色…一部の可視光を吸収し、吸収しなかった可視光が反射して我々の眼に色として視える
・分子軌道法…エネルギー準位図を用いて下から電子を収容させた結合理論
・最高被占軌道(HOMO)…電子が詰まった最高準位
・最低空軌道(LUMO)…電子が詰まっていない最低準位
・励起状態…エネルギーを照射し、HOMOの電子がLUMOに移動した状態
・基底状態…エネルギーが照射されていない電子が安定した状態
・ルミネッセンス…励起状態から基底状態に戻る時、光としてエネルギーが照射される現象(蛍光)
・光励起(誘起)電子移動…励起状態から基底状態に戻る時、電気としてエネルギーが照射される現象

今回の記事では簡単に色のことを解説しました。もちろん、色は奥深いものでありこれからもどんどん当ブログで解説します。

参考文献「トコトンやさしい染料・顔料の本」中澄博行、福井 寛 共編

本日のブログはここまで!! 最後まで読んで頂きありがとうございました!!

プロフィール
ミドリケム

はじめまして。ミドリケムです。
性別:男性
年代:30代半ば
専攻:応用化学、有機化学

大学で応用化学を専攻し、研究室で有機合成をしてきました。
社会人でも転職は2回しましたが、現在でも有機化学をしています。

スキルアップ重視でブログを始めました。もちろん収益化もできたら嬉しいのですが笑

化学の基本的な事から専門的な事まで幅広く取り扱おうと思っています。中には簡単すぎて退屈、難しすぎてわからないと感じる事もあるかと思います。

少しでも化学に興味を持ってくれたらと思っています。疑問やここを解説してほしい、もう少しわかりやすく解説してほしい、などなど些細な事でも構いませんので、何かあればお問い合わせから連絡して下さい♪

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