こんにちは⭐ ミドリケムです。
本日は界面化学、その中でもコロイドについて解説していきます。
コロイドって高校化学で聞いたことがあるかもしれませんが、何だったっけ?と感じる方もいらっしゃると思います。中にはコロイドの復習をしたくてこのページに来られた方もいらっしゃるかもしれません。
界面化学とは?
コロイドの前にまずは界面化学とは?ですね。界面化学とはその名の通り、気体と液体、液体と液体(水と油)、固体と気体といった様に二つの相が互いに接触し合っている境界面です。
ちなみに「表面」という言葉も存在しますが、表面とは界面のうち、どちらかの相が気体、ないし真空である場合のみの別名です。
実は界面は内部とは違った性質を持っています。例えば、同じ鉄でも鉄くぎと鉄粉を火で燃やすとどうなるでしょうか?
当然前者は表面が燃えて錆びるだけで終わるかもですが、後者は勢いよく燃焼し、場合によっては危険です。そのため、工場でも粉塵をまき散らすと危険です。
この様に界面の面積が大きい程、同じ化学物質でも性質が違ってきます。そのため、界面化学は化学の世界でも重要な研究分野ともいえます。
コロイドとは?
ここでやっと、コロイドの説明になりますね。
結論からいうと、コロイド、ないしコロイド分散系とは直径10-9~10-7mの粒子が均一に分散している状態のことをいいます。図示すると以下の通りです。また、サイズによる粒子の名称も以下の表に記載します。


ここで、何気に登場した分散質と分散媒ですが、分散質とはコロイド粒子そのもの、分散媒は分散質を分散させている物質です。
コロイドは粒子直径は分子・イオン程ではないですが、表面積がかなり大きいです。つまり、多数の界面を有しているというわけです。そのため、コロイドは界面化学の分野でも非常に重要な研究テーマとも言えますね。
ちなみにこれだけで見ると、溶液(溶質と溶媒)の関係と少し似ていますよね? 溶媒は必ず液体ですが、分散媒は液体とは限らないです。気体や固体の場合もあります。これも表にまとめると以下の通りです。

分散媒と分散質との組み合わせにより、名称も決まってきます(エアロゾル、泡、エマルション、サスペンション、固体コロイド)。
ちなみに、分散媒、分散質共に気体は存在しません。気体は分子運動が活発なため、分散媒が気体だと分散質の粒子サイズがコロイド粒子サイズに維持できないからです。要は分散質分子が散らばってしまうためです。
また、分散媒が液体の時はコロイド溶液といいます。
…と説明しましたが、コロイドは分子、イオン等が集合した粒子であり(粗大粒子より小さいですが)、正式には溶解しているわけではありません。分散媒の中で分散質が分散し、あくまで肉眼では溶解している様に見えるため、その様な名称となっています。
そのため、コロイド溶液と呼ぶことをあまり良く思っていない研究者もいらっしゃいます。紹介しといてこんなことを言うのも良くないかもですが…
ちなみに、分子、イオンが溶解している溶液を真の溶液といいます。

また、コロイド溶液のうち、流動性がある場合はゾル、無い場合はゲルといいます。
コロイド粒子の種類
コロイドにも様々な種類があります。大きく3つに分類されます。
・分子コロイド
…高分子など、分子自体がそもそもコロイド粒子並に大きいもの
例:タンパク質、デンプン等
タンパク質については以下のブログで解説しています。

・ミセルコロイド
…溶液中で比較的小さい分子が集まって(会合)できたもの
例:セッケン等
・分散コロイド
…分散媒に不溶の分子が散らばり、コロイド粒子として存在したもの
例:泥、金、水酸化鉄(分散媒は全て水)等
コロイド分散系の性質
コロイド分散系というからには、もちろん特有な性質を持っています。それを解説していきます。
光の散乱(チンダル現象、乳光)とは?
粒子は光を照射すると、散乱させる現象があります。光の波長より小さい粒子が散乱させる傾向があります。この現象をレイリー散乱といいます。粒子の状態、あるいは入社光の強さなどが影響されるため、全ての粒子がレイリー散乱に適応するわけではありません。他にもミー散乱等もありますが、話が脱線するため割愛します。
そのレイリーの式を以下に示します。
I:散乱光の強さ、n:単位体積中の粒子数、ν:粒子1個の体積、λ:入射光の波長、k:定数
難しい式が登場しましたが、要は粒子の数、及び粒子の体積の2乗に比例するということです。
もちろん、入射光も影響(入射光の波長の4乗に反比例)しますが、コロイド分散系はこのレイリー散乱に非常に適しているというわけです。
じゃあそのレイリー散乱がどんな風に影響するの?と思います。まずはチンダル現象です。チンダル現象とはコロイド分散系に強い光源(入射光の波長が小さい)を照射すると、光跡が確認できます。図で表すと、以下の通りです。

コロイド溶液(分散系)には光跡が見えますが、真の溶液には見えません。これはコロイド分散系の特徴ともいえますね。
他にもコロイド分散系全体に光を照射すると、分散系が濁って見えます。タバコの煙や霧などがそうですね。白くもやがかかった様に見えます。これを乳光と呼びます。
余談ですが、条件がそろえば、分子にもレイリー散乱が見えますよ。例で言うと、空が青いのは大気(窒素79%、酸素21%)が太陽光の青い光を散乱しているからなんです。
また、青い光は遠い場所には届きませんが、赤い光は届きます。そのため、朝焼け、夕焼けは赤いのです。
もっというと、雨上がりは水分子が大気中に多量に存在し、水粒子のサイズによって、太陽光中の様々な波長を散乱します。それが虹です。
ブラウン運動とは?
ブラウン運動とはコロイド粒子が直線的に不規則にする運動のことです。コロイド粒子は多くの分子やイオンの集合体でしたね。そのため、それぞれの分子が運動した結果、このような不規則な運動をするわけです。

電気泳動とは?
実は一部のコロイド粒子の表面は+,-と電荷を帯びています。詳しくは次回のブログで解説します。そのため、コロイド溶液に電極を入れて電気を通すことにより、コロイド粒子が一方の電極に引き寄せられる現象です。

透析とは?
透析とは半透膜(主にセロハン)を用いてコロイド溶液から小さな分子・イオン等を取り除く精製方法です。セロハンは小さな分子・イオンを通過させますが、コロイド粒子は大きすぎるため通過できません。よって、コロイド粒子のみを残すことができます。
ちなみに、ろ紙は孔が大きすぎるため、粗大粒子は取り除けますがコロイドは取り除けません。

いかがだったでしょうか? コロイドのことが何となく理解できましたか?
次回のブログではコロイドの電気的性質について解説していこうかと思います。
本日のブログはここまで!! 最後まで読んで頂きありがとうございました!!


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