こんにちは。ミドリケムです。
今回はシリコーンについて解説していきます。
シリコーン(silicone)ってなにかわかりますか? ケイ素Siを英語でいったシリコン(silicon)ではありませんよ?
シリコーンとはシロキサン結合ーSiーOーが主骨格の高分子だと思っていませんか?
それは半分正解で半分間違いです。
シリコーンは我々の生活にもかかせない物質なので、詳しく解説していきます。
今回の記事では主に
・シリコーン
・なぜケイ素?
・らせん構造
・シランカップリング剤
について解説していきます。
参考文献「トコトンやさしい シリコーンの本」池野正行 監修、真越化学工業(株) 編著
当記事で紹介するシリコーンの知識は一部です。詳しくは下記の書籍をご覧下さい。
シリコーンとは?
ここでもう一度問います。シリコーンとは何でしょうか?
ほとんどの方はシロキサン結合ーSiーOーが主骨格のポリマー、オリゴマーの総称だと思っていると思います。かくいう私もそうでした。
しかし、正しい定義はケイ素(シリコン)Siを含む有機化合物、特にシロキサン結合を含む化合物の総称です。つまり、シロキサン結合ーSiーOーが主骨格のポリマー、オリゴマーもシリコーンではありますが、あくまでシリコーンの一部です。
シリコーンの例を以下に示します。

図1.シリコーンの種類
まずはおなじみ、シロキサン結合が主骨格のポリマー、オリゴマー(上図では区別するためシリコーンと記載)、酸素がなくケイ素のみが主骨格で構成されたポリシラン(主骨格、ないし側鎖にπ共役系の有機化合物が含まれていればポリカルボシラン)、さらには有機化合物にアルコキシシラン部位を導入し、有機化合物を無機物に固定化しやすくしたシランカップリング剤等、様々です。
とはいえ、シロキサン結合が含まれた有機ケイ素化合物をシリコーンと呼称することがほとんどです。
シリコーンの構成元素であるケイ素Siは炭素Cと同じ14族の元素であり、炭素と同じく手を4本出して結合します。同じ14族でも性質は全然違ってきます。
なぜケイ素?
ここで、なぜ同じ14族でもケイ素Siが重要視されるのか、解説していきます。
もちろん炭素Cにはない面白い特性があるからもありますが、ケイ素Siは地球上での存在比が25.8%と第2位です。第1位は酸素Oの49.5%、第3位はアルミニウムAl7.56%、第4位は鉄Fe4.7%、第5位はカルシウムCa3.39%です。ちなみに、炭素Cは第15位0.03%です。
もちろん、マントル等も含まれるため、実際に採掘、人工的に取り扱うことのできる比率はもっと下がりますが、ケイ素Siは炭素Cよりも圧倒的に多い資源です。
さらにはシロキサン結合ーSiーOーは強力な結合であり、熱に強いという特性があるのもメリットです。ケイ素Siと酸素Oはお互いが強く引き合う性質があるため、炭素Cー炭素C結合よりも約25~60%程強く、天然ゴムは100℃、合成ゴムは150℃を超えると劣化してしまうのに対し、シリコーンゴムは180℃を超えても使用可能です(さすがに有機置換基があるため、シロキサン結合で構成された完全無機物の岩石やガラスよりは弱いです)。
しかも、有機樹脂とは違い、燃焼しても黒鉛や有毒ガスを発生することがほとんど無く、シリカSiO2が残るのみです。そういった観点では人体、環境にも優しい物質です。
そのため、シリコーンオイルが工業的に使われ、シリコーンゴムが家庭用キッチン用具に使われています。
らせん構造
シリコーンの特性として、撥水性、消泡性、離型性、ガス透過性、耐寒性、または温度依存性が小さいといった特性をもっています。これはシリコーンのらせん(螺旋)構造に由来しています。
シリコーンの構造はシロキサン結合ーSiーOーを骨格にらせん構造となっており、電気陰性度がSi(1.8)<O(3.5)のため、イオン性の性質をもっています。さらに、非イオン性の有機置換基がらせん構造の外側を向いており、イオン性の骨格が非イオン性の置換基に覆われているような構造になっています。
これが上述した特性を持っている由来です。

図2.シリコーンのらせん構造
シランカップリング剤とは?
続いて、シランカップリング剤について解説していきます。シランカップリング剤は有機化合物にアルコキシシラン、クロロシラン、およびシラザンが置換した化合物の総称です。そのシラン置換基が主にガラスや砂等、無機物に固定化します。

図3.シランカップリング剤の無機物への固定化
そのことにより、無機物表面に本来なじまない有機化合物を固定化することができます。そのことにより、ぬれ性の変化、さらには無機物と有機樹脂の仲介役等、無機物への有機化合物の特性の付与に貢献します。
関連記事(シランカップリング剤、ぬれ性)

実用例として、エコタイヤの製造に貢献しています。エコタイヤは有機ゴム中にシリカを分散させて造られています。しかし、シリカの表面にはシラノールという親水性基が存在しており、それがシリカ同士を凝集させてしまう特性があります。
そこで、シランカップリング剤を添加することで、分散させることができます。具体的にはポリスルフィドシランのアルコキシ基が無機材料であるシリカと結合し、ポリスルフィド部位が加硫反応によりゴムと結合します。
つまり、シランカップリング剤は界面活性剤の役割を持つこともあります。エコタイヤの製造にはシランカップリング剤の研究も必要不可欠ですね。
関連記事(界面活性剤)

まとめ
・シリコーン…ケイ素(シリコン)Siを含む有機化合物、特にシロキサン結合を含む化合物の総称
・ケイ素Siは地球上での存在比が第2位、酸素Oは第1位のため、素材が多い
・シリコーンはらせん構造でイオン性の骨格が非イオン性の置換基で覆われた構造、そのため、撥水性、消泡性、離型性、ガス透過性、耐寒性、または温度依存性が小さいといった特性を持つ
・シランカップリング剤
…有機化合物にアルコキシシラン、クロロシラン、およびシラザンが置換した化合物の総称
そのことにより、ぬれ性の変化、さらには無機物と有機樹脂の仲介役等、無機物への
有機化合物の特性の付与に貢献(エコタイヤ等)
シリコーンの特性を語ってきましたが、これはあくまでほんの一例です。詳細は上述の参考文献に詳しく記載されていますので、気になる方はぜひ読んでください。
本日のブログはここまで。最後まで読んで頂きありがとうございました。


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