こんにちは。ミドリケムです。
前回の記事は主に高分子の基礎について解説してきました。
今回の記事では重合について解説していきます。
重合といっても様々、連鎖反応や逐次反応、ラジカル反応やアニオン重合などが挙げられます。
よくわかりませんよね?そこで、今回はその重合について簡単に解説していこうと思います。それぞれの重合の詳しいことに関しては今後、当ブログでも書いていくかもしれません。
今回の記事では主に
・連鎖反応、逐次反応
・付加重合、開環重合
・重縮合、重付加、付加縮合
・ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合
・開始反応、生長反応、停止反応
について解説していきます。
前回の記事(高分子の基礎)

参考文献「ベーシックマスター 高分子化学」 西久保忠臣 編
この書籍は入門編より詳しく、または難しすぎない内容となっており、今から高分子を学ぼうという方にはオススメです。
重合の種類の分類
結論から言うと、重合の種類は以下の通りです。

図1.重合の種類の分類
この図をベースに解説していきます。
連鎖重合と逐次重合とは?
連鎖重合とは、モノマー分子間で新しい結合の生成と新しい活性点の生成が同時に起こり、この反応が繰り返すことにより高分子が生成する機構です。
一方、逐次重合ではモノマーの官能基間の反応により重合が段階的に進行していく反応です。
言葉ではわかりにくいので、図示します。

図2.連鎖反応と逐次反応
要は、連鎖反応は反応活性点がモノマー間を移動して高分子化していくのに対し、逐次反応はモノマーに結合した官能基同士が結合していき高分子化していきます。
付加重合と開環重合とは?
続きまして、連鎖反応にある付加重合と開環重合について解説していきます。
付加重合
付加重合とは二重結合がある化合物(主にビニル基)がπ結合を開裂して連鎖的に反応していく重合です。付加反応なので、特に副生成物等が発生しないのが特徴です。
また、付加重合の際、始めの活性点がモノマーと作用して活性点を移動させる反応を開始反応、その反応が連鎖的に続き付加重合をさせていく反応を生長反応、最後に冷却や試薬を加える等、重合を終了させる反応を停止反応といいます。

図3.付加重合(開始、生長、停止反応)
図3では活性点を*で表現しましたが、これがアニオンの場合がアニオン重合、カチオンの場合はカチオン重合、ラジカルの場合はラジカル重合、遷移金属錯体触媒の金属中心へのモノマーの配位と挿入を繰り返すことで生長する場合は配位重合といいます。
開環重合
開環重合とは環化したモノマーを開裂させ、連鎖的に反応させていく重合です。モノマーが環化しているため、螺旋(らせん)構造になりやすいことが特徴です。
以下にε-カプロラクトンのカチオン開環重合の反応機構を図示します。

図4.ε-カプロラクトンのカチオン開環重合
始めにカルボニル酸素がカチオン種に求核攻撃してオキソニウムカチオンが生成し、カルボニウムカチオンが生成します。これが開始反応です。
次にそのカルボニウムカチオンにε-カプロラクトンのカルボニル酸素が求核攻撃し、同様にカルボニウムカチオンが生成します。それが繰り返され、ポリマーが生成します。これが生長反応です。
最後に、停止剤を加えることで、反応を停止させます。これが停止反応です。
重縮合、重付加、付加縮合とは?
次に、逐次反応である重縮合、重付加、および付加縮合について解説していきます。
重縮合
重縮合とは2つの異なる官能基同士の縮合反応を利用して高分子化させる反応です。
以下にアミンとカルボン酸との反応によるポリアミドの生成についての反応式を挙げます。

図5.ジアミンとジカルボン酸とのポリアミドの生成
他にもジアミンとジカルボン酸ハロゲン化物とのポリアミド化(こちらの方が主流)、ジオールとジカルボン酸ハロゲン化物とのポリエステル化等、また、R1,R2を変えることで、様々なポリマーを生成することができます。やはり、カルボニル基がよく利用されていますね。
関連記事(カルボニル基)

重付加
重付加とは2つの異なる官能基同士の付加反応を利用して高分子化させる反応です。重縮合とは違い、副生成物が発生しないのが特徴です。名前が似ているので、上述の付加重合と間違えないで下さい。
以下にジイソシアネートとジオールとの反応によるポリウレタンの生成を挙げます。

図6.ジイソシアネートとジオール酸とのポリウレタンの生成
重付加もジイソシアネートとジアミンとのポリウレア、ピロメリット酸二無水物とジアミンとのポリイミド等、また、R1,R2を変えることで、様々なポリマーを生成することができます。
付加縮合
付加縮合とは付加反応と縮合反応の繰り返しによる高分子の生成反応のことです。
以下にフェノール樹脂の合成について挙げます。

図7.フェノール樹脂の合成
初めにフェノールとホルムアルデヒド(気体のため、実際はホルムアルデヒドを少し重合させたパラホルム、ないしホルムアルデヒドを水に溶解させたホルマリン)とを付加反応により結合させます。
その後、他のフェノールとの脱水縮合反応によりフェノール同士が結合します。これの繰り返しにより、フェノール樹脂が生成されます。
ちなみに、フェノール樹脂は酸触媒にも塩基触媒にも反応しますが、触媒が違うことで生成する樹脂が変わってきます。
まとめ
・連鎖重合…モノマー分子間で新しい結合の生成と新しい活性点の生成が同時に起こり、
この反応が繰り返すことにより高分子が生成する機構
・逐次重合…モノマーの官能基間の反応により重合が段階的に進行していく反応
ー連鎖重合ー
・付加重合…二重結合がある化合物(主にビニル基)がπ結合を開裂して連鎖的に反応していく重合
・開環重合…環化したモノマーを開裂させ、連鎖的に反応させていく重合
・開始反応…始めの活性点がモノマーと作用して活性点を移動させる反応
・生長反応…連鎖的に続き付加重合をさせていく反応
・停止反応…最後に冷却や試薬を加える等、重合を終了させる反応
・アニオン重合…活性点がアニオンの場合
・カチオン重合…活性点がカチオンの場合
・ラジカル重合…活性点がラジカルの場合
・配位重合…遷移金属錯体触媒の金属中心へのモノマーの配位と挿入を繰り返すことで
生長する場合
ー逐次重合ー
・重縮合…2つの異なる官能基同士の縮合反応を利用して高分子化させる反応
・重付加…2つの異なる官能基同士の付加反応を利用して高分子化させる反応
・付加縮合…付加反応と縮合反応の繰り返しによる高分子の生成反応
今回は重合の基礎について解説しました。高分子の魅力はまだまだあります。当ブログでも解説していきますが、冒頭で紹介した書籍ではもっと詳しく記載されています。
本日のブログはここまで。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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