高分子の基礎についてわかりやすく解説

高分子化学

こんにちは。ミドリケムです。

本日は高分子について解説していきます。

高分子と言われると何を思い浮かべますか? DNAやタンパク質といった天然高分子、プラスチックや樹脂といった合成高分子、砂やガラスといった無機高分子等、多様です。

本記事ではその高分子とは何か?について学んでいこうと思います。今回は基礎であるため、高分子の熟練者には少々退屈な記事になるかもしれませんが、初心者の方もいらっしゃるのでご了承願います。

ちなみに私自身も大学院、あるいは前職が高分子について研究していました。しかし、同じ高分子でも畑違いです。

本記事では主に
・高分子(モノマー、オリゴマー、ポリマー、重合)
・巨大分子、超分子との違い
・高分子の分類
について解説していきます。

参考文献「ベーシックマスター 高分子化学」 西久保忠臣 編

この書籍は入門編より詳しく、または難しすぎない内容となっており、今から高分子を学ぼうという方にはオススメです。

高分子とは?

読んで字のごとく、高分子とは分子量が多い分子のことです(詳細な定義は下記)。比較的小さな分子、これをモノマー(単量体)と言いますが、それらが繰り返し結合することを重合と呼びます。

それにより出来上がった物質をオリゴマーポリマーと呼びます。オリゴマーは比較的分子量の小さい分子である一方、ポリマーは比較的分子量の大きい分子です。特に定義は無いためオリゴマーとポリマーの境界線は無いのですが、目安としては分子量10000g/molより低いとオリゴマー、それ以上だとポリマーと呼ばれています。あくまで目安です。定義ではありませんよ。図示すると以下の通りです。

図1.重合過程(モノマー→オリゴマー→ポリマー)

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そして、高分子化することで、新たな機能を発現することもできます。そういった高分子を機能性高分子といいます。

機能性高分子に関しても、今後、当ブログで発信していきます。

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巨大分子、超分子との違い

ここでよく出てくるのが巨大分子(macromolecule)超分子(supramolecular)との違いです。高分子は英語でポリマー(polymer)であるため、英語でも区別されています。ではどう違うのでしょうか?

違うといいましたが、高分子巨大分子の一部です。高分子は巨大分子の一種ですが、巨大分子すべてが高分子ではありません。

巨大分子とは、非常に多くの原子が共有結合によってつながった巨大な一つの分子のことです。一方、高分子は上述したように、とあるモノマーが繰り返し連なってできた巨大分子のことです。要は高分子は繰り返しの分子が存在しており、巨大分子は繰り返しの分子の有無に関わらず、とりあえず分子量が大きい分子のことを指します。
しかし、正直、巨大分子の内、どこまでが高分子に分類するか線引きするのは難しいです。そもそも、上述したように高分子の定義すら曖昧な訳ですから、学者によって、言う事が変わってきます。そのため、巨大分子≒高分子となってきているのが現状です。

一方、超分子とは2個以上の分子が共有結合以外の分子間相互作用によって会合した分子を示します。界面活性剤等でできるミセルは超分子に当たります。

以下に高分子、巨大分子、超分子の比較した表を示します。

表1.巨大分子、高分子、超分子の違い

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高分子の分類

天然or合成、有機or無機による分類

ここまで高分子の説明をしてきましたが、高分子には具体的にどんなものがあるのでしょうか?(表1の例で少しネタバレしていますが…)

高分子は主に天然か合成か、あるいは有機物か無機物かに分類されます。以下にそれぞれの4通りの高分子について以下に例を示します。

天然有機高分子
 …デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、タンパク質etc.
合成有機高分子
 …ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)etc.
天然無機高分子
 …石英、雲母(主に粘土鉱物)etc.
合成無機高分子
 …ガラス、ポリシラン、シリコーンetc.

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分子鎖構造による分類

続きまして、分子鎖構造による分類です。主に以下の3つが挙げられます。

鎖状高分子…分子鎖に分岐が無い高分子
分岐高分子…分子鎖に分岐が存在する高分子
環状高分子…分子鎖が環状になっている高分子

図2.構造による高分子の分類

また、分岐高分子で基本骨格となる高分子鎖を主鎖、そこから枝分かれした高分子鎖を側鎖といいます。

他にも、構造により以下の分類がされます。

・はしご状高分子…高分子鎖がはしご状になっている高分子
・星形高分子…中心から何本も分子鎖が伸びている高分子
・デンドリマー…星形高分子の分岐がさらに増え、分岐する位置や数が制御されている高分子
・ハイパーブランチポリマー…星形高分子の分岐がさらに増え、分岐する位置や数が制御されていない高分子

と簡単に説明しましたが、少しマイナーです。主に鎖状高分子、分岐高分子、環状高分子を覚えておいてください。

他にも、高分子同士が結合されて網目のような分子構造ができている高分子を架橋高分子、架橋高分子が分子コロイドとして溶媒を含んで膨潤し、流動性があるコロイド溶液をゾル、無いコロイド溶液をゲルといいます。

図3.架橋高分子

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成分数による分類

モノマーが一種類しかない高分子を単独重合体、またはホモポリマー、複数ある高分子を共重合体、またはコポリマーといいます。

また、共重合体には様々な種類があります。

ランダム共重合体…モノマーの配列に規則性が無い共重合体
          例:…AABBBABBBAABBBAABB…
          名称:Poly(A-co-B) or Poly(A-ran-B)
交互共重合体…モノマーの配列に規則性がある共重合体
          例:…ABABABABABABABABAB…
          名称:Poly(A-alt-B)
ブロック共重合体…モノマー同士が集まって単独重合体となり、それらが結合した共重合体
          例:…AAAAAAAAABBBBBBBBB…
          名称:PolyA-block-PolyB
グラフト共重合体…主鎖の高分子から別の高分子が枝分かれ状態となって結合している共重合体
          例: BBBBBBBBBBBBBBBB
                     |
            …AAAAAAAAAAAAAAAAAA…
                 |
            BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
          名称:PolyA-graft-PolyB

まとめ

巨大分子…非常に多くの原子が共有結合によってつながった巨大な一つの分子
      例.グラファイト、ダイヤモンド、石英etc.

高分子…モノマーが繰り返し連なってできた巨大分子
     例.タンパク質、DNA、ポリスチレンetc.

超分子…2個以上の分子が共有結合以外の分子間相互作用によって会合した分子
     例.ミセル、液晶etc.

ー高分子の分類ー

・天然有機高分子
 …デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、タンパク質etc.
・合成有機高分子
 …ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)etc.
・天然無機高分子
 …石英、雲母(主に粘土鉱物)etc.
・合成無機高分子
 …ガラス、ポリシラン、シリコーンetc.

・鎖状高分子…分子鎖に分岐が無い高分子
・分岐高分子…分子鎖に分岐が存在する高分子
・環状高分子…分子鎖が環状になっている高分子

・架橋高分子…高分子同士が結合されて網目のような分子構造ができている高分子

・単独重合体、ホモポリマー…モノマーが一種類しかない高分子
・共重合体、コポリマー…モノマーが複数ある高分子

・ランダム共重合体…モノマーの配列に規則性が無い共重合体
・交互共重合体…モノマーの配列に規則性がある共重合体
・ブロック共重合体…モノマー同士が集まって単独重合体となり、それらが結合した共重合体
・グラフト共重合体…主鎖の高分子から別の高分子が枝分かれ状態となって結合している共重合体

当記事では主に高分子とは何か?について解説していきました。

次回の記事からは重合のことについて解説していきます。

本日のブログはここまで。最後まで読んで頂きありがとうございました。

プロフィール
ミドリケム

はじめまして。ミドリケムです。
性別:男性
年代:30代半ば
専攻:応用化学、有機化学

大学で応用化学を専攻し、研究室で有機合成をしてきました。
社会人でも転職は2回しましたが、現在でも有機化学をしています。

スキルアップ重視でブログを始めました。もちろん収益化もできたら嬉しいのですが笑

化学の基本的な事から専門的な事まで幅広く取り扱おうと思っています。中には簡単すぎて退屈、難しすぎてわからないと感じる事もあるかと思います。

少しでも化学に興味を持ってくれたらと思っています。疑問やここを解説してほしい、もう少しわかりやすく解説してほしい、などなど些細な事でも構いませんので、何かあればお問い合わせから連絡して下さい♪

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