有機化学、無機化学、物理(理論)化学とは?

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こんにちは⭐ ミドリケムです。

本日は有機化学、無機化学、及び物理化学の違いを説明していきます。物理化学は高校化学では理論化学とも呼ばれることもありますが、ここでは物理化学と呼ばせて頂きます。

おそらく中学校の理科で燃やすと二酸化炭素と水が発生するものが有機物、しかし、二酸化炭素、水は無機物、もっというと燃やして二酸化炭素と水が発生する一部の炭酸塩は無機物(NaHCO3で例えると、2NaHCO3→Na2CO3+CO2+H2O)と習ったと思います。

どういうことやねん!!! と思いますよね?化学の歴史を振り返って解説していきます。

本日のブログの参考文献は以下の書籍です↓↓ とくにマクマリー有機化学は上中下巻全てそろえると結構なお値段にはなりますが、有機化学のことがわかりやすく解説しているためおススメです!!(ここでは上巻のみ掲載していますが)

有機化学、無機化学とは?

有機化学の現在の定義としましては炭素原子を骨格として構成されている化合物の総称を有機物とし、それらを扱う学問となっています。主元素は炭素C、水素H、酸素O、窒素Nであり、ほかにもハロゲン(主に塩素Cl、臭素Br)、硫黄S、リンP等があります。
構成元素は少なめですが、現在知られているだけでも約5000万種類と膨大な数の有機化合物があり、分子量が最も小さい物質はメタンCH4、大きいものでDNAがあります。他にもタンパク質や脂肪、炭水化物等、三大栄養素も有機化合物の一種です

逆に無機化学の定義は簡単にいうと有機物以外の物質を無機物とし、それらを扱う学問となっています。周期表に含まれている全ての元素が対象です。

では、有機化学と無機化学の元々の定義は何だったのでしょうか? それは有機物とは人間を含めた生物が体内で生成しうる生命力の源であり、人間が実験等で取り扱うことのできない物質であり、それ以外の物質を無機物と称していました。これが生命力説です。

しかし、1816年にMichel Chevrerulさんにより動物性脂肪がアルカリによりセッケンとグリセリンに分解し、さらにはセッケンを酸により脂肪酸へと変化させました。

それだけではありません。1828年、Friedrich Wohlerさんにより、生物の尿から得られた尿素が実は無機塩であるシアン酸アンモニウムから加熱しても得られるという事実が発覚しました。

つまり、有機化合物は生合成だけではなく、人工的にも取り扱うことができるとなっていきました。これは生命力説にとって、大打撃でした。

それから研究が進んで原子、分子等解明されていき、有機化合物も無機化合物も基本的な原理の違いが無く、有機化合物を特徴づける唯一の区別は、それらが炭素元素を含んでいることでした。

CーC結合、あるいはCーH結合は強力であり、先程触れたメタンやエタン、巨大分子としてはDNAやタンパク質等、様々な構造を形成できるのです。それらを研究する分野が有機化学、それ以外は無機化学となり、現在の定義に代わりました。

冒頭でお話した「燃やすと二酸化炭素と水が発生するものが有機物」というのは、有機物は炭素が骨格であり水素も確実に含まれているため、燃やすと酸化されて二酸化炭素と水が発生するという意味です。わかりやすく説明するために少し曖昧な説明となってしまいました。

逆に二酸化炭素、水、及び炭酸塩は炭素、水素どちらか一方しか含まれていない、あるいは炭素が主骨格とは言えないため(少々意見の分かれ所ですが…)、無機物扱いとなります。

しかし、先程にも説明しましたが、有機物、無機物、どちらも原理は同じです。そこで次に登場するのが「物理化学」です。

物理化学とは?

物理化学とは別名理論化学ともいう通り、世の中の化学現象はなぜこの様に起こるのか?この物質はどういう性質、構造をしているのか?という事を物理学を含めて解明していく学問、あるいは研究していく分野です。
有機、無機化学どちらも原理は同じです。その原理を物理学を通じて探求しようという事です。

物理化学も分野としては多岐にわたりますが、大きく3つに絞ると「化学熱力学」、「量子化学」、「反応速度論」です。これも研究者によっては意見の分かれ所ではありますが、当ブログではこの3つを原則とさせて頂きます事をご了承願います。

化学熱力学とは?

化学熱力学(別名、熱化学)とは物理学で学ぶ熱力学を化学応用しよう♪という分野です。

いやいや、そのまんまやんけ💦と思われた方もいます。熱力学は熱と力学(主に圧力)が絡む分野、つまりヤカンの水を沸騰させると蓋が動くことや富士山の頂上は89度で水が沸騰するといったことですね。

熱力学の基本と言えばボイル・シャルルの法則PV/T=一定、あるいは気体の状態方程式PV=nRTです(P:圧力、V:体積、n:気体の物質量、R:気体定数、T:温度)。また、高校物理では比熱や熱容量、熱力学第一法則等、様々な事を学びます。また、最近の高校化学ではエンタルピー、エントロピーの事も学習するみたいですね。僕は大学で初めて学びました💦

この熱力学が界面化学、あるいは前回まで解説していた電気化学(電池、電気分解等)といった化学現象にも繋がるのです。それが化学熱力学です。まだパッとしないかもしれませんが、化学熱力学も今後のブログで解説できればと思っています。

量子化学とは?

量子化学とは物理学で学ぶ量子力学を化学に応用しよう♪という分野です。

いやいや、またそのまんまやんけ💦、ていうかそもそも量子力学って何?となりますよね。

皆さん力学といえば何を思い浮かべますか?大半の人は物を押すと動く、物を手放すと重力により落ちる、位置エネルギーや運動エネルギーといった力学的エネルギー、研究者はニュートン等を思い浮かべますよね?

これらを古典力学と言います。読んで字のごとく、昔からある力学ですね。しかし、研究が進むと古典力学だけでは説明がつかない現象もありました。そこで、登場したのが量子力学です。

これらの違いをざっくり説明すると、物といったマクロ的な力学を研究する分野を古典力学、一方原子、電子といったミクロ的な力学を研究する分野を量子力学と言います。

世の中の物質は全て目視できないミクロ的な原子から成り立っており、様々な結合を介して目視可能でマクロ的な物として確認できます。

つまり、化学はミクロな原子、分子を対象として研究する分野のため量子力学の知見が必要なのです。これらを研究する分野を量子化学と言います。

ちなみに、量子力学は物理二大革命の一つです(もう一つが、かの有名な相対性理論)。

反応速度論とは?

反応速度論とは、化学反応の速度を研究する分野です。

またまたそのまんまですね笑

わかりやすく説明すると、wA+xB→yC+zDという反応があるとします(w,x,y,zは係数)。正反応(右に行く反応)速度をv、逆反応(左に行く反応)速度をv’とすると、

v=k[A]w[B]x
v’=k'[C]y[D]z

と表すことができます。平衡状態(正反応と逆反応との速度が同じ、見かけ上反応が止まっている様に見える)の時はv=v’が成り立つため、

k[A]w[B]x=k'[C]y[D]z

となり、K=k/k’=([C]y[D]z)/([A]w[B]x)

と表すことができます。この時のKを平衡定数と呼びます。

このように、反応速度を数式化し、それを元に研究する分野が反応速度論です。

世の中の反応には熱力学的に支配する反応や速度論的に支配する反応があります。Diels-Alder反応は良い例です。同じ原料でも支配によっては出来上がる構造が違ってくる事があります(熱力学的にはexo体、速度論的にはendo体)。

有機物といえば体の栄養素である健康食品はいかがですか?↓↓

以上、有機、無機、物理化学の簡単な解説です。しかし、世の中にはこれらを基盤として「有機金属化学」、「高分子化学」、「分光学」、「界面化学」等、様々な分野があります。特に「有機金属化学」なんて「有機」がついているくせに「金属」と無機化学要素も混ざっています。

そうです。どんな研究分野に行こうと、有機、無機、物理化学が基盤として研究することが多く、うちの研究室は有機化学しかしない、無機、物理化学の知識などいらない!! といった研究室、あるいは化学メーカーはありません。化学も基本をきっちり理解しておく必要があるという事ですね。

本日はここまで!! 最後まで読んで頂きありがとうございました!!

プロフィール
ミドリケム

はじめまして。ミドリケムです。
性別:男性
年代:30代半ば
専攻:応用化学、有機化学

大学で応用化学を専攻し、研究室で有機合成をしてきました。
社会人でも転職は2回しましたが、現在でも有機化学をしています。

スキルアップ重視でブログを始めました。もちろん収益化もできたら嬉しいのですが笑

化学の基本的な事から専門的な事まで幅広く取り扱おうと思っています。中には簡単すぎて退屈、難しすぎてわからないと感じる事もあるかと思います。

少しでも化学に興味を持ってくれたらと思っています。疑問やここを解説してほしい、もう少しわかりやすく解説してほしい、などなど些細な事でも構いませんので、何かあればお問い合わせから連絡して下さい♪

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